保安マンは見た!

非常用発電機の異常に注意!

非常用発電機の異常に気づき事故を未然に防止

無人で主要設備が非常用発電機であるお客さまへ、月次点検にお伺いした時の事例をご紹介します。
いつものように電源部分を点検した後、非常用発電機の試運転を実施しました。発電機は問題なく運転し、運転中特に異常音等はありませんでしたが、運転停止後に燃料タンクの周囲を外観点検すると、油のにじんでいる箇所を発見しました。
注意深く確認した結果、燃料タンク~燃料コシ器間の燃料フレキパイプ(燃料タンク側)から燃料(軽油)が漏れていることが判明しました。
現場は無人であり、停電時に発電機が自動運転した場合は、燃料が漏れても誰も気づくことなく、発電機はしばらく運転し続けるため異常な状態が継続します。現場はライフライン設備であることから、災害時に運転した際、燃料漏れにより発電機が異常停止してしまう恐れもあり、影響は計り知れません。
また、このまま使用を続ければ、漏れた燃料が飛び散ることで発電機の他の箇所も傷めてしまう恐れもあるため、直ちにお客さまへ状況を報告するとともに早急な取り替えをお願いしました。その結果、お客さまの設備改修に対するご理解・ご協力により、後日無事に取り替えが完了しました。
最近は新型コロナウイルス感染症拡大等の影響により、あらゆる機器や部品の納期が遅れ、結果、工事予定の計画が困難となっています。
お客さまへ設備の異常を素早く報告し、異常の状態で使用される場合のリスクを十分に説明して、早期の予算化・改修計画へ導くことが重要です。

今回は月次点検時に異常に気づき、早急に機器の取り替えを行うことで事故を未然に防ぐことができました。発電機の点検では、運転前に外観点検を行うことはもちろんですが、運転後も異常がないか、再度確認することで異常の見逃しを防ぐことができると、あらためて実感させられました。
今後もこの経験を忘れず、日々の業務に精進していきたいと思います。