保安マンは見た!

コンセント・プラグ過熱に注意!

コンセント・プラグ過熱を発見

あるお客さまでの発見です。
定例の月次点検にお伺いした際、高圧電気設備の点検が終了し、工場内の低圧電気設備の分電盤・開閉器・配線・接続端子、および負荷設備を、目視・低圧検電器・放射温度計の画面等を使い点検していたところ、ふと放射温度計の画面のある部分が赤く写っていることに気がつきました。工場内とはいえ、2月初旬の気温の中で、この部分は58℃を表示していました。正常な状態では考えられない温度であり、目視や作業手袋を付けての確認では、気が付かない場所でした。
その赤く写っている場所は、工場内のコンセント部で、使用している延長コードの可動プラグの部分でした。早速、従業員の方に連絡して負荷(洗濯・乾燥機)を止めていただき、コンセントからプラグを外して確認したところ、プラグ可動部の接触子(刃)の間の絶縁樹脂部分が過熱により軟化して接触子(刃)が樹脂の型(溝)から外れていました。
また、正常な形での可動プラグと比べると、それぞれの歯が平行にそろってなく、このまま使い続けると電気事故(火災)につながりかねないことをお客さまに説明したところ、ご理解いただき直ちに交換を実施しました。
一般に使用する可動プラグはコンセントの周りにプラグを差し込むスペースが狭かったり、見た目のスマートさで使用され、通常の電気製品の使用の範囲では、問題なく使えます。ただし、可動プラグはその構造上、可動し接触している2枚の金属板の間に電気が流れるため、その表面部分に汚れやほこが付着するとその接触面積が小さくなり熱を持つことになります。
この使われていた延長コードは随分古くから工場内にあった物と思われ、可動部の劣化も進んでいたものと考えられます。また、このような状態で比較的大きな電流を長時間使用したため、可動プラグ部に過熱による変形が起こったものと考えます。

放射温度計の画面(赤い部分が58℃を表示していた)

放射温度計の画面(赤い部分が58℃を表示していた)

58℃を表示した工場内コンセント

58℃を表示した工場内コンセント

過熱により変形した可動プラグ

過熱により変形した可動プラグ

現在、このコンセントは撤去され延長コードも通常のプラグタイプにして使用を再開されています。電気事故につながりかねない“芽”を未然に発見できたことに担当保安技師として安堵感を覚えます。今後も今回の経験を活かして、電気事故の未然防止に努めていきたいと思います。