保安マンは見た!

ブレーカーの過熱に注意!

ブレーカーの過熱を発見

月次点検にお伺いした際に、分電盤等を点検していると、お客さまから「その機械は何ですか? それで何をしているんですか?」と声をかけられることがあります。
「これは“放射温度計”という機器で、開閉器や配線、接続端子等の温度を接触せずに測定することができます。」と答え、放射温度計の画面をお見せすると、「すごいですね! 面白いですね! それでしっかり点検してくださいね!」とおっしゃっていただきます。
今回の事例は、その放射温度計で低圧電気設備の点検を実施して異常箇所を発見した事例をご紹介いたします。
高圧電気設備の点検を終え、その後、放射温度計を使用し、低圧電気設備の点検を実施していると、1つのブレーカー付近で200℃程度の温度表示がでました。
電圧や負荷電流には異常はなく、また周囲の温度も35℃前後であることから、ブレーカーが接触不良を起こしている可能性があると判断し、細かく温度測定をしたところ、ブレーカーの接続端子部付近で260℃と目を疑うような表示がでました。
これは危険な状態であると判断し、すぐに周囲で作業していた連絡責任者の方に事情を説明し、使用している設備の停止とブレーカーを切る許可をいただき点検をしました。
原因を調査したところ、ブレーカーの接続端子部のわずかなゆるみが発見され、接触不良となり過熱に至ったことが推定されました。 応急処置として、このブレーカーを予備のブレーカーに取り替え仮復旧を行い、後日電気工事業者にて新しいものに交換していただくよう連絡責任者の方に依頼しました。

過熱の原因は、接続端子部のわずかなゆるみによる接触不良と考えられますが、目視による点検ではこのような不具合はなかなか発見できないものです。今後も細心の注意をはらいながら点検を行っていきますが、お客さまにも、電気設備に異変を感じたら担当保安技師に相談してくださるようお願いしました。これからも、放射温度計等の測定機器を適宜使用し、より精度の高い保安管理を目指してまいります。